ひがんばな

 彼岸


      

 白い彼岸花が咲く。崇高で気品を感じさせる白花には、艶やかな赤花とはまた異なる趣がある。
 彼岸花の呼び名には、
416の方言がある。一説には俗称は千以上ともいう。
 「狐剃刀」「極楽花」「しびれ花」「数珠花」「捨子花」「提灯花」「天蓋花」「曼珠沙華」「蜜柑草」「葉不見花不見」等意味を考えてみてください。
 自分の故郷ではこの名であった。
「むらがりて いよいよ寂し ひがんばな」

   日野草城

   

 コスモス
 秋桜 

 好きな花の一つである。
 東北を旅したときの事であろうか、秋の到来を知らせるように秋桜が咲き始める。 秋空にたなびく紅や白の花がそよぐ夕べ、静かに、どこからとも無く押し寄せてくる一面のいわし雲がある。
 日本へ渡来したのは幕末とも明治の中ごろとも言われているが定かではない。
 愛らしく清楚な姿形が好まれ全国の小学校に栽培法をつけて、種を配布したところ急速に広まった。  
「八枚の 花びらをもつ コスモスのいつでも 「きらい」で 終る占い」 
              俵 万智
  

 

しゅうめいぎく

秋明菊

 秋明菊、貴船菊と和名では、菊と名が付くが、英名では、ジャパニーズ・アネモネと最初に日本で発見されたときに付いた名である。
 貴船菊は、京都の貴船山付近に野生化していたところからついた名である。名前から独特の雰囲気をもっており、日本的な花で、お茶席の花として、有名である。

 キンポウゲ科アネモネ属の多年草イギリスで初めて交配され世界中に広まった。日本で栽培されている
種類は、白、クリーム色、赤、桃色等がある。  

「菊の香や 垣の裾にも 貴船菊」 
             水原 秋桜子

花の写真

    
第10回

作者プロヒール
小倉利之氏船橋)
千葉県隊友会会員

県隊友会理事

海上自衛隊
第211教育航空隊

平成9年退官
会員のぺージへ