夏、白い花を咲かせ、花の後、球状の赤い実がなる。それは美しい、千両に勝るとの意味から万両と名づけられたものである。
　冬になると、青い実が染まってきて真紅になる、万両と千両の違いは、万両は、葉の陰に赤い実がなる、千両は、葉の上に赤い実があらわれる。
　万両は一見重々しく感じる。千両は、軽く明るい。正月を待つ赤い実のなる花である。　
「万両も、千両も正月を　祝う花」
　春湖

　紅い実の美しさが「値千金」なので千両の名がつけられたとか、マンリョウ（万両）よりもやや実が小さいのでつけられたとか、いわれるがはっきりしない。
　歳末、年始の重要な花材である。冬に紅熟して、年を越えても落ちない。
　千両、万両、藪柑子、青木の実など、冬になると赤く実が色づく花は、また趣があり素晴らしい。
「千両の　実をこぼしたる　青畳」　
　今井つる女

こうていダリア　　　　　　　　

　「皇帝ダリア」は、樹木に劣らぬ立派な幹をピンと伸ばし、威風堂々とした姿からの命名である。
　成長すると３〜４ｍほどになる大型ダリアで、「木立ダリア」とも呼ばれます。日が短くなると開花する「短日性」で、花が咲いた後、冬には枯れ、春に新芽が芽吹きます。
　原産地は中南米で、グアテマラ、コスタリカの標高９００〜２７００ｍに見られます。
「豊満な　ダリアを起し　ゐたりけり」　　　田中鬼骨