じんちょうげ      

巡る季節を香りで知らせてくれる、かたまって咲く清楚な花。香りが高く、遠く千里に及ぶので「千里香」の名もある。山林の中で眠っていた僧侶が、夢の中でよい香りがしたので目を覚まし、あたりを見回したところ、この花が一面に咲いていた。そして「睡香」と名付けたとも言われている。日本には中国から室町時代に渡来した、薬用として使われた。半円球状に育つ蕾に固まって早春3~4月に開花する。  
「ぬかあめに ぬるる丁字の 香なりけり」 
            久保田 万太郎

沈丁花

  あ し び    はな

赤い(白い)の壺形の小花が集まり房になって垂れさがる。今では、庭木として、また盆栽として、栽培されている。可愛い花として、愛されている。樹高は、1~2メートル程度である。野生では、3~4メートルになる。花が咲く時は、3月末からである。馬がこの葉を食べ。中毒を起こしたといわれ、草食動物は、それを知っていて、食べることはないようである。
「花馬酔木 掌にさやさやと 音たちぬ」
             小間きち子   
  

馬酔木
さんしゆゆ  雅趣に富む姿を見せる。小枝の先の小さな黄色い花のかたまり、春黄金花(はるごがねばな)、秋珊瑚、さわぐさ、やまぐみ等の別名がある。中国から薬用植物として渡来、今では、むしろ観賞用として、広く栽培されている。早春、葉が出る前に、たくさんの小さな黄色い花が、小枝の先ごとに球形に集まってつき、すこし遠くからは、木全体が真っ黄色に見える。秋には赤く熟する美しいので、茶庭には植えられる。 
「さんしゆゆの 花に寺田の 水あかり」 

                
木下 青嶂
山茱萸
作者プロフィール
小倉利之氏船橋)
千葉県隊友会会員
県隊友会理事
海上自衛隊
第211教育航空隊
平成9年退官

花の写真

第16回

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