平成24年度硫黄島遺骨帰還第2回特別派遣に参加して

1      全 般

 厚生労働省計画の硫黄島遺骨帰還特別派遣団員として、平成24年8月28日から9月5日の間硫黄島における遺骨収容に参加させていただいた。硫黄島は亜熱帯気候で、かつ火山島で大変暑いなかでの遺骨収容活動であったが派遣団として3柱のご遺骨を収容する成果を収めることができた。 

2  派遣団の編成 

(1)人員 団長以下57名(女性7名含む) 

(2)年齢構成の概観 
     ・65歳以上     約1/3(最高齢者82歳の男性)
     ・30歳から64歳  約1/3 
     ・29歳以下     約1/3  (最若年者19歳の女性)

(3)参加団体 
   ・日本遺族会の他8団体
  防衛省関係者は公益財団法人大東亜戦争全戦没者慰霊団体協議会として4名参加

3  遺骨収集日程
    
     ・  8月28日 厚生労働省に集合 結団式(本多総理大臣補佐官出席)
     ・  8月29日 入間基地から硫黄島へ移動(航空自衛隊飛行機C−130)
       現地追悼式、ブリーフィング  本多総理補佐官との懇談会
     ・ 8月30日〜9月3日  遺骨収容活動
     ・  9月4日 使用器材等の整備 追悼式、離島報告
     ・ 9月5日 硫黄島から入間基地へ移動 解団式(本田総理大臣補佐官出席)    

4  遺骨収容場所

  遺骨収容場所は硫黄島西地区(監獄岩の見える所)の崖に掘られた壕の中で、その大きさは壕によってまちまちであるが高さ約1m〜2m、幅約0.7m〜1m、奥行き数m〜30mが多い。又、壕内温度は約35℃〜80℃で所により水蒸気が噴出する場所がある。 

5      遺骨収容要領

   (1)高温の壕内

・通風用のダクトを壕の中に設置し通風、排気を実施しながら低い姿勢で壕の奥まで前進、奥の方から壕低にたまっている崩落した土の中のご遺骨、遺品、弾薬、装備品、生活用品を収容・収集して壕の外に搬出する。

・1個班約15名の班を編成し、3名1組で5組に区分、組ごとに順次収容活動を実施する。1個組の活動時間は3分〜4分程度が最長時間である。ご遺骨等があった場合はその周辺の土等を壕の外に搬出丁寧・綿密に点検する。

  (2)比較的温度の低い壕内      

・壕内にある崩落した土等すべてのものを壕の外に運搬し壕外で収容活動を実施

・収容活動中弾薬、化学加工品、薬品等が発見された場合は現場を保存し陸上自衛隊からの支援隊員に通報、安全確認後活動を再開する。

6      感 想

    先の大戦において硫黄島で戦死された方は約21,000名、そのうち帰還されたご遺骨は約11,000柱でまだ約半数    のご遺骨が眠っておられる現状、ご遺族の心情を思うと一日も早いすべての方々のご遺骨の収容を進めていただ   きたいと思います。

  短期間の遺骨収容参加でありましたが非常に過酷な環境のもと遺骨帰還活動に重大な関心をもっておられる若年層から高齢者まで方々と一緒に活動できたことは今後の人生に大きな糧となりました。

                 合 掌

 硫黄島の写真

第2回硫黄島遺骨収集
       (千葉県隊友会会員参加)

 厚生労働省から遺骨集収団体として認定された『公益財団法人大東亜戦争全戦没者慰霊団体協議会』は、硫黄島における戦没者の遺骨集収ボランティアを隊友会(本部市ヶ谷)に派遣してほしいとの要請した。
 千葉県隊友会は、隊友会本部の要請を受け、第1回県本部理事役 小渡 朝義氏の参加に引き続き第2回目は、四街道支部会員 久保 正治氏が参加した。
 下記は久保氏の投稿記事です。