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平成三十年 新年のご挨拶

   新年 明けましておめでとうございます。
本年が皆様にとりまして輝かしい年になりますことを心よりお祈り申し上げます。

  さて昨年は、年の漢字に「北」が選定されたことが象徴しているように、北朝鮮を巡る安全保障情勢、特に弾道ミサイル発射や核実験に攪乱させられた1年でした。
「9月6回目の水素爆弾実験の完全成功、11月末の新型大陸間弾道弾ICBM火星15号の発射」等、周辺地域や世界を脅威に晒す北朝鮮の行いは、孤立化を助長し、関心を超えて反発を生むだけで、北朝鮮国民やその生活を守るためのものとは決して思えないものでした。

そのような安全保障情勢とは裏腹に、昨年の「酉年」は、鳥が黎明を告げることから新たな時代を開く吉祥のシンボルであり特に商売繁昌をもたらす年とされているとおり、経済成長という実りをもたらした一年(実感できないとの世論もあるが)でありました。中国においても鳥は、吉兆をもたらす動物とされています。それを表すように中国は、経済面で巨大経済圏構想「一帯一路」を打ち出し、昨年の共産党大会で習政権の盤石とも言える2期目体制が整いました。その影響力は今後益々拡大するものと予想されます。

安全保障に関して、北朝鮮情勢以外の周辺情勢にも目を転じると、中国は、わが国周辺海空域での活動を活発化しており、海軍艦艇部隊による太平洋への進出頻度が高くなり、また中国機に対する空自の緊急発進回数は、平成28年度過去最多を更新しました。南シナ海においては、このように既存の国際秩序とは相容れない、力を背景とした現状変更の既成事実化は、周辺のみならず国際的安全保障上の影響が懸念されるところです。またA2AD戦略は、将来的に米国等にとって大きな脅威となるでしょう。

米国トランプ大統領と安倍首相は、2月の日米首脳会談で尖閣諸島が日米安保条約の適用対象であることを共同声明に明記し、同盟強化の方針を確認して安全保障上の日米関係はじ後強固なものとなっています。

さて、今年の「戌年」は、酉年で得た成果をもって、基盤の充実やリスクヘッジ、社会性をもって親しむことなどフォローすることが、新たな芽や価値を生む(安産)ために重要となる年であり、そのための粘り強い努力が大切となる年とのことです。

当面の焦点は、北朝鮮が核・ミサイル開発の破棄を前提とした対話のテーブルに着くか、為政者が意識や国家計画の大転換を図ることができるかでしょうか。日米韓中等周辺国や国連の緊密な外交・軍事面等での緊密なる連携が一層期待されるところです。

 そしてまた、これから将来に向けて、周辺地域や世界の各国が経済の面で相互のためにもその基盤を充実・発展させていけるのか、外交・安全保障でどこまでリスクを軽減できるのか、そして友好的な交流をもっと活発化できるか等、重層的な関係の動向に着目する必要があるでしょう。

自衛隊は、ミサイルへの防衛のためPAC3やイージス艦を年間を通じて展開し続けるとともに、昨年もジプチへの部隊派遣や南スーダンへの司令部要員派遣などの国際平和活動により世界の平和と安定に貢献し、また九州豪雨などの災害においては人命救助や生活支援等で活躍してくれました。今後は、安全保障情勢の変化を予測しかつこれにしっかりと対応して、領土・領空・領海、国民の生命・財産を守り続けていただかねばなりません。新たな防衛力整備、防衛態勢の構築や教育訓練により精強な自衛隊を創造していただくべく、新防衛計画の大綱、新中期防の策定が、自衛隊が与えられた任務・役割をしっかりと果たせるよう進められることを切望しております。

隊友会としては、公益社団法人として各種の活動を実施しております。昨年度から、政策提言を偕行社・水交会・つばさ会と4団体で行っており、今年度も憲法改正をはじめ、防衛政策、防衛力整備、自衛隊員の処遇等に関する広範な内容について政策提言書を、政府・与党に提出・説明しています。また、日夜頑張っている自衛隊そして国民を守る役割を果たす自治体への支援・協力は極めて大切であるとの認識に立ち、家族支援・国民保護支援などについて、具現化を進めているところです。

千葉県隊友会としても、憲法改正に係わる市民集会等へ参加するとともに、家族支援や自治体との協定については、実行可能な具体案を本部理事役会で検討し支部長会議で審議を深めています。

 また、隊友会の最大の課題である会勢の拡充に関して、県隊友会としては昨年、下志津、松戸に加えて、習志野駐屯地、下総基地においても駐屯地・基地先任上級曹長等に対する概要説明及び懇談会を実施しました。これらの施策により本年度かなりの成果を得られる見通しですが、引き続きこの活動を継続・拡大し、隊友会活動の意義や各種制度などの特典についても強調し普及していこうと考えております。

皆様の今年一年のご健勝、ご活躍を心より祈念いたしますとともに、千葉県隊友会本部そして各地域で最寄り自衛隊への支援協力に尽力するとともに、地域と自衛隊の架け橋として頑張っている35個各支部に対する変わらぬご支援、ご協力を心よりお願い申し上げ、新年のご挨拶といたします。

                                    平成30年1月1日

                              公益社団法人 千葉県隊友会

                     会長 小渕 信夫