鷲頭山頂

歩き応え十分の里山

     沼津アルプス

 沼津市街の南側、香貫山から大平山に至る山並を通称「沼津アルプス」と呼ぶ。
 里山と侮るなかれ、この5山7峠の縦走は、起伏が大きく歩き応え十分である。
 今回は香貫山を割愛して、徳倉山から大平山を縦走した。

 2月上旬の暖かい一日、JR沼津駅から沼津市街を歩いて徳倉山登山口に着いたのが9時半。
 下香貫の集落を抜けて雑木林の中の急な山道を黙々と登るうち、10時ポコッと明るい稜線に飛び出した。
 コースを左に取って岩場の登り5分程で徳倉山頂(256㍍)に出た。
 眼下に広がる沼津市街の向こうに駿河湾がまぶしい。

 しばしの展望タイムの後は、稜線道を元に戻り更に南に進む。
 照葉樹林の中、間断のないアップダウンが続く。
 千金岩から標高差100㍍近い岩場の急下降が待っていた。
 10時45分志下坂峠。それからしばらくはなだらかな上り下りで志下山を越え11時15分、大トカゲ場とかいう小広い草原に出て一休み。
 これから登る鷲頭山の堂々とした図体が真っ正面に立ちはだかって見えた。
鷲頭山の登りは標高差約200㍍。急な岩場には手すり代わりのロープが張ってある。
 行き交う中高年グループのなんと多いこと。互いにロープを譲り合っての登り下り。さすが人気の山である。
 12時鷲頭山頂(392㍍)。小広い山頂広場には中央に石祠があり、広場を囲み桜の木立が多い。
 花の季節の賑わいが偲ばれる。山頂を占領する先客が7~8組。小生も先客に交じって、視界一杯の駿河湾を見下ろしながらの昼食にした。

 12時半出発で大平山に向かう。午前中と異なり、岩場のヤセ尾根伝いが、変化に富みなかなか面白い。多比口峠 を越え、13時15分大平山(356㍍)。帰路は元の多比口峠経由で多比に下った。江浦湾を真っ正面に見下ろしながらの急降下に疲れて膝が笑い出し、やっとのことで14時のバスに間に合った。

 そして、家への沼津ミヤゲは定番のアジの干物を張りこんだ。

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おりおりの  第30回

                
鷲頭山
 

作者プロフィール

 柚木 文夫氏

千葉県隊友会会員
習志野支部長
桧町陸幕
平成2年退官
1958年防衛大学卒
元防大山岳部監督
現自衛隊山岳連盟会長

多比口峠からの江浦湾
 
徳倉山頂からの駿河湾