立山の春スキー

ゴールデンウイークは毎年、北アルプス立山で春スキーを楽しむことが多い。立山は、小生の故郷・富山県の自慢の山である。

 立山黒部アルペンルートが毎年、ゴールデンウイークに間に合わせて開通するおかげで、今では誰でも気軽に室堂(標高2430㍍)まで登って、雪の立山の大景観を楽しむことができる。

 富山から来ると、立山ケーブルの下駅千寿ヶ原は桜が満開であるが、ケーブルを乗り換え、バスで弥陀ヶ原に登ると一面の銀世界である。室堂に近づき雪の大谷付近ではバスの両側の雪壁の高さは20㍍にも達し、乗客の歓声があがる。バス終点の室堂ターミナルから私の定宿・雷鳥荘へは約30分、ツボ足で行ける。経路標示のポールも整備されていて、吹雪の日にも迷うことはない。

 立山周辺の多くの谷はスプーンで削りとったようなカール状地形で、スキーの下手な私でも、自由自在にコースを選んで滑りまくることができる。特に、雷鳥沢、剣沢、浄土沢、御山谷などがお勧めゲレンデである。ただ当たり前のことだが、滑降するためには登行しなければならず、シールは必需品であることをお忘れなく。

 某年の日記から。

 初日の昼食後、足慣らしに一ノ越までを往復。シールを着けての登行2時間、滑降30分。

 2日目は剣沢行き。雷鳥沢の登り約3時間、最後の30分はスキーを担いでアイゼンで登る。剣沢の滑降は雪質良く最高。平蔵谷出合いまで45分。帰りの時間を考え、これ以上の滑降を断念して帰途につき、別山乗越までの登り約3時間、雷鳥沢の滑降約40分。

 3日目は御山谷行き。一ノ越まで登った後の御山谷滑降はたっぷり1時間。しかしその後が大変で、スキーを担いで黒四ダムまで約2時間の歩き。黒四ダムからは、夕方の人気のない室堂行きケーブル・ロープウエー・トンネルバスを独占して帰る。疲れて帰った後の雷鳥荘の温泉はこれまた極楽。

 皆さん、来年のゴールデンウイークは、わが故郷・立山へ、是非お出かけ下さい。

 

雷鳥荘
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おりおりの  第33回

                
別山乗越にて
 
雷鳥沢を見上げる

作者プロフィール

 柚木 文夫氏

千葉県隊友会会員
習志野支部長
桧町陸幕
平成2年退官
1958年防衛大学卒
元防大山岳部監督
現自衛隊山岳連盟会長

春の立山連山一望

 
雪の大谷