御坂黒岳-ミツバツツジとグンナイフウロ-

 6月下旬の梅雨の合間の一日、山梨県・御坂黒岳(1793㍍)に出かけた。
 御坂山塊の主峰である。河口湖からの甲府行きバスを三ッ峠入口で下車したのが10時過ぎ。
 早速、御坂峠に向かいジグザグ道を登り始めるが、朝方まで残った雨のせいで、かき分ける下草がビショ濡れである。
 その上、雨上がりにクモが巣作りに精出し始めたせいか、至る所でクモの糸が顔にヘバリついて気持ち悪い。
 しかし、かっては荷馬が越えた峠道は、ゆったりした傾斜で歩きやすい。
 路傍の
グンナイフウロが目を楽しませてくれる。

 11時45分御坂峠着。休業中の御坂茶屋前の広場にはアヤメが咲き乱れていた。
 峠から西に黒岳に向かう尾根道は、ブナやミズナラ林の中、なだらかな起伏が連続する。オレンジ色の
ミツバツツジと青紫色のグンナイフウロが今が真っ盛り。
 そのうちに道は岩場気味の登りになって12時40分、黒岳山頂に到着した。

 頂上広場は、ここもアヤメの群生である。頂上から南に2~3分の所にテラス状の岩場の展望台がある。
 富士山はガスっていたが、河口湖の藍と
ミツバツツジのオレンジのコントラストが素晴らしかった。足下に河口湖を眺めながら、ここで30分の昼食休憩。

 13時10分山頂に戻り主稜線を更に西に向かう。
 山頂からの下りはかなりの急傾斜の泥んこ道だが、得意のダブルストックで駆け下りる。
 スズラン峠、破風山と越えて、14時新道峠。
 この道中もミツバツツジとグンナイフウロの供宴を堪能した。

 新道峠から大石集落に向け下るが、ここのツヅラ折りも又、朝の登りと同じく、濡れた下草とクモの糸にヘキエキした。

 14時45分林道に飛び出し、後は別荘地の中をひたすら歩いて15時半、河口湖自然生活館前で、丁度通りかかった湖畔遊覧のレトロバスに拾われ、湖畔遊覧に付き合いながら河口湖駅まで送ってもらった。

 

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おりおりの  第34回

                

作者プロフィール

 柚木 文夫氏

千葉県隊友会会員
習志野支部長
桧町陸幕
平成2年退官
1958年防衛大学卒
元防大山岳部監督
現自衛隊山岳連盟会長

河口湖から望む御坂黒岳
御坂峠と御坂茶屋
ミツバツツジ
ミツバツツジと河口湖