大山三峰山

 

  

 3月下旬、丹沢・大山三峰山(935㍍)に出かけた。
 大山から北へ鋸歯のように連なる大山三峰山は、低山ながら岩場連続し、なかなか登り応えのある山である。

 本厚木駅からの上煤ヶ谷行きバスを、9時20分煤ヶ谷で下車。舗装道路を数分進んだ後、物見峠方面の山道に入る。
 雑木林の中、延々と続く鹿除けネットに沿う緩やかな登り道。
 鹿除けのゲートを2回程扉を開け閉めして潜り抜けるうちに11時、いつの間にか物見峠に到着した。

 ここから急な木段を登り、15分程で山ノ神頂上。
 その後は小さなアップダウンを繰り返した後、最後に鎖の設けられたヤセ尾根の急登をこなして、12時半北峰に到達した。木立の中で展望はないが、ともあれ昼食休憩。

 13時出発で、更に稜線を南にたどる。
 ヤセ尾根の急登降を何回も繰り返すが、要所要所には鎖やハシゴが設けられており初心者にも安心である。
 三峰山の主峰である中央峰には13時20分に到着した。
 野外卓やベンチが設けられ、木の間越しに、まだ雪をまとった大山から塔ノ岳、丹沢三ツ峰などの丹沢主脈が一望出来た。

 中央峰からは鎖場の急下降やヤセ尾根の登下降を繰り返し、15分程で南峰。ここから見る大山主峰が大きい。

 引き続きハシゴや鎖の急下降の後、ルートは尾根を左に外れ、沢の中に向かい急降下する。
 どんどん急斜面を下るが、沢底近くなっても鎖場のトラバースや急下降が連続し気が抜けない。
 14時半、やっと不動尻キャンプ場に出てホッとした。

 ここから道は舗装された車道となり、オシャベリをしながらのどかな散歩が楽しめた。
 道の両側には、黄色も鮮やかなミツマタやキブシが今を盛りと咲き乱れていた。

 15時半、広沢寺温泉着。ここの庭園風の岩組みの露天風呂はなかなかの風情である。そして風呂上がりのビールのツマミに、宿自慢のワサビ葉のタマリ漬がこれまた乙だった。


 

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おりおりの  第43回

                
南峰から見る中央峰
大沢分岐付近からの三峰山
 

作者プロフィール

 柚木 文夫氏

千葉県隊友会会員
習志野支部長
桧町陸幕
平成2年退官
1958年防衛大学卒
元防大山岳部監督
現自衛隊山岳連盟会長

ミツマタの花(不動沢キャンプ場)
    
北峰中央峰間のハシゴ・鎖場
      
大山三峰山頂