笹之越路からの石裂山
(右ピークが月山)
      行者返しの登り山
  

         岩場連続スリル満点

石 裂(おざく)山       


 4月も半ば過ぎ、栃木県・石裂(オザク)山(879㍍)に出かけた。
 前日光の南東端に位置する石裂山は、低山ではあるがハシゴやクサリ場の連続するスリルに富んだコースで人気が高い。
 
午前10時、登山口の加蘇山神社社務所に車を置いて、舗装道を10分程歩き、加蘇山神社の石段を登るところから登山が始まる。
 拝殿に一礼し、杉木立の中を沢沿いに登る。30分程で竜ヶ滝の休憩所に着き一息入れる。

 月山への道を右に分け、石のゴロゴロした沢をたどり10時50分、中ノ宮跡に出ると、目の前に見上げるような行者帰しの岩場が待ち構えている
 垂らされた鎖にすがって難なく登る。この鎖場を登りきると岩壁に突き当たり、その岩壁下部の洞窟には加蘇山神社の奥ノ宮が鎮座ましましていた。

 奥ノ宮の岩壁を左へ巻き、急なヤセ尾根をつめると、今度は右側がスパッと切れ落ちたヒゲスリ岩のトラバースになる。ここも足場やハシゴが取り付けられ万全である。続く主稜線へのジグザグ登りの斜面はカタクリの群生地のはずであるが、残念ながら花は終わっていた。

 11時40分、東剣ヶ峰頂上。30分の昼食休憩もそこそこに、引き続き西剣ヶ峰、石裂山、月山と主稜線をたどる。
 東剣ヶ峰の下り、西剣ヶ峰の登り下り、月山の下りとも、鎖やハシゴが垂直に近い岩壁に連続して取り付けられている。
 高所恐怖症の人にはあまりお勧め出来る山ではない。
 石裂山山頂からは男体山と日光の連山がモヤにかすんで遠望出来た。
 月山頂上付近はアカヤシオツツジが今が真っ盛り。豪華なピンク色に囲まれての一時、幸せな気分に浸った。

 13時半、月山山頂を後にして、加蘇山神社帰着は午後3時となった。


 

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おりおりの  第44回

                

作者プロフィール

 柚木 文夫氏

千葉県隊友会会員
習志野支部長
桧町陸幕
平成2年退官
1958年防衛大学卒
元防大山岳部監督
現自衛隊山岳連盟会長

アカヤシオツツジ
    
東剣ヶ峰の下り
 

  石裂山山頂