アカヤシオオツツジ
 


       日光 鳴虫山-ヤシオツツジが満開-
 

  5月初め、日光・鳴虫山(1104㍍)にヤシオツツジを見物に出かけた。
鳴虫山は日光の市街地のすぐ裏手といった感じの手頃な山である。

 10時、消防署脇を入って小橋を渡るとすぐ杉林の中のジグザグ登りの登山道が始まる。天王山神社を過ぎると道は尾根筋の急登になり10時45分、神ノ主山に着いた。ベンチがあり、日光の街並みが目の下に広がる。男体山、女峰山、赤薙山などの表日光の山々が一望出来る。

 後から登って来た2人連れの若い米人女性と一緒になり、テルモスの紅茶などを勧めながら下手な英会話を楽しんだ。

 神ノ主山からは左がスギ・ヒノキ、右がブナ・ナラなどの雑木の尾根筋一本道となる。木の根が地表に縦横に張り出し歩き難いことこの上ない。その上、結構上り下りが激しく大汗をかく。間もなく雑木に混じってピンクのアカヤシオツツジが花を見せ始め、次第にその数を増して来た。花に目を奪われながら鳴虫山頂到着が12時15分。

 展望台やベンチが整備された山頂広場は、木立で展望はあまり良くないが、周りを取り巻くアカヤシオの群落は圧巻である。青空に映えるあでやかなピンク色の花の洪水。ここ鳴虫山は、今が最高のシーズンである。

 ゆっくり昼食休憩を取った後、下山は合峰、独標経由で憾満淵を目指した。

 最初から固定ロープにすがっての急降下があったりして、周囲のヤシオツツジをゆっくり鑑賞する余裕がない。それでも昔の修行場があったという合峰付近になると緩やかな雑木林の散歩道になり、花を愛でながらの散策が楽しめた。

 合峰で銭沢への道を右に分け、左に尾根道を急下降し登り返すと独標。後は林の中の道をどんどん下り、14時半ようやく憾満淵にたどり着き、名物の化地蔵こと地蔵軍団の堵列に迎えられた。

 日光駅に向かう町中では、殊勝に家への土産に日光名産・ユバを買い求めた。

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おりおりの  第45回

                
並び地蔵
      
鳴虫山全景(手前が日光市街)
アカヤシオと表日光の山並み
 

作者プロフィール

 柚木 文夫氏

千葉県隊友会会員
習志野支部長
桧町陸幕
平成2年退官
1958年防衛大学卒
元防大山岳部監督
現自衛隊山岳連盟会長

鳴虫山山頂