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作者プロフィール

 柚木 文夫氏

千葉県隊友会会員
習志野支部長
桧町陸幕
平成2年退官
1958年防衛大学卒
元防大山岳部監督
現自衛隊山岳連盟会長


おりおりの  第46回

                
東伊豆町三筋山からの天城連山

      

シャクナゲの天城山

   

 6月初め、伊豆・天城山に出かけた。天城山の主峰・万三郎岳(1406㍍)に登り、万二郎岳経由で下山するコースを取った。

 天城高原ゴルフ場に車を置き、10時15分出発する。
 万二郎登山口、地蔵堂分岐を経て11時、最後の水場に着くまでは殆ど高低差のない雑木林の道をたどる。
 この後の急な登りがいよいよシャクナゲ街道である。
 シャクナゲの木立がトンネルのように頭上を覆い、足元もまた、丈の低いシャクナゲが生垣のように連なる。
 花の色も、紅色、桜色、白色と多彩で、登りの疲れを忘れさせる。まるでシャクナゲの洪水を右に左に泳ぎ登る心地で12時半、万三郎岳頂上に到着した。

 頂上の広場に座りこんで30分の昼食休憩。
 周囲の木立で眺望はあまりないが、木立の切れ目に富士山が額縁の絵のようにきれいに見えた。

 頂上からは、左右のシャクナゲを愛でながら尾根道を下る。
 鞍部の石楠立を過ぎるとシャクナゲが終わり、アセビがトンネルのように続く馬の背状の登り道となる。
 万二郎岳頂上近くの岩場で視界が開け、振り返ると山肌をシャクナゲのピンクで染めた万三郎岳が見事だった。
 14時、万二郎岳到着。残念ながら、アセビに覆われた頂上は全く展望ゼロである。

 万二郎岳からゴルフ場へはツツジの群生の中を下った。
 この付近を埋めるトウゴクミツバツツジの紅紫色の洪水は、万三郎岳のシャクナゲに負けず劣らずの華麗さである。

 後は、何の面白みもない雑木林の中をひたすら下り、15時、天城高原ゴルフ場の駐車場に帰り着いた。

 帰り道、駐車場のある伊東温泉の公衆浴場に立ち寄り、ゆっくり汗を流した。
 家への土産はもちろん、アジの干物である。

アマギシャクナゲ
 
トウゴクミツバツツジの中を歩く
万二郎岳
万三郎山頂