がある。時々遭遇する見事な紅葉と木の間越しの青空とのコントラストに目を奪われる。大滝から30分程でムシカリ峠。立派な避難小屋がある。この峠から北に尾根筋を約15分登って三頭山山頂に着いた。頂上から南に富士山の眺望が素晴ら

しい。また、北には奥多摩湖の青い湖面が紅葉に映える。

滝見橋の上から眺める渓谷両岸の紅葉は今が最高の見頃である。今が最高の見頃である。
ここで木屑舗装が終り、沢沿いの山道となる。ブナ林の中のゆったりとした登りは、正に深山幽谷の趣き

ところが話がややこしい。この山頂の道標は「中央峰」となっているが、標高は1524bである。最高点の1531bは、東へ10分程も下り登ったところにある。また5万分の一の地図上の「三頭山」の三角点標1527bは、更に5分程も南寄りにあり、そこの道標は「東峰」となっていた。なるほど、これが三頭山の名の所以かと勝手に解釈して、一同納得した。時間は丁度正午。東峰山頂に座りこんで昼食弁当を広げ、賑やかにオシャベリが始まった。帰りはムシカリ峠まで戻り、更に大沢山を越えてのんびりと笹尾根を下る。西原峠で尾根を東に外れ、名物の兜造りの家並みを目の下に見下ろしながら、数馬の里への急降下となった。そして、お目当ての村営温泉センター「数馬の湯」に到着したのが午後3時半。熱い温泉に疲れも癒えた。そして又、定番のビールパーティーに時間の経つのを忘れた。

三頭山(1531b)、東京・山梨県境に位置する奥多摩の最高峰である。近年は都民の森として遊歩道もしっかり整備され、気軽な山歩きが楽しめる。去る11月半ば、古い仲間たちとの家族共々の懇親山行に出かけた。
標高1000bの都民の森駐車場から、木屑をたっぷり敷きつめた遊歩道を登り、森林館手前からまず、三頭大滝への道をたどる。約30分で三頭大滝着。

三頭山−紅葉の山歩き

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作 者
柚木 文夫氏
プロフィール 
千葉県隊友会会員 習志野支部長 桧町陸幕 平成 2 年退官
1958 年防衛大学卒
元防大山岳部監督 現自衛隊山岳連盟会長 
 おりおりの山 第73回  2015年11月号