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著者紹介 田尻 洋介氏
千葉県隊友会
市川支部会員
熊本県出身
1962年防衛大学校入学
1967年任官
1999年退官 空自(第3補給処)
東芝電波プロダクツ株式会社を退社した後2006年から社会保険労務士・行政書士業務に専念

千葉県市川市富浜2-15-1  A-310
田尻社会保険労務士・行政書士事務所
TEL&FAX  047-396-5048   
Mail
y-tajiri@flamenco.plala.or.jp
URL  
http://www10.plala.or.jp/ta12/
 
身近な社会保険のQ&A 第10回
自衛官定年後の会社勤めを終わり退職した後の「年金受給及び健康保険等」の生活設計の基本的な事項について、約10数回にわたり専門家から丁寧にアドバイしてもらいます。

60歳以降の働き方について




Q-1 私は昭和2711月生まれです。自衛官を定年退職後、会社に働いています。 更に60歳で2回目の定年を迎えます。以後更に同じ会社で再雇用され働こうとおもいます。 働き方につて教えてください。

A-1 60歳からの働き方には次の3つ方法があります。

                       :金額は例として掲げたものです。

上記図表の中のABCタイプについて説明します。

  Aタイプ (自営業で働く)

  個人事業として働くタイプで年金を全部貰いながら(在職老齢年金制度は非適用)働くタイプです。(例えば個人経営の店舗、社労士 事務所、農業等)

Bタイプ (1週の労働時間が20時間以上、30時間未満働き、雇用保険に加入しながら会社勤めをする。)

  年金を全部貰いながら、給料と高年齢雇用継続給付金を貰い収入を給料以上に確保する働きかたです。

Cタイプ (1週間30時間以上フルタイムで働く)

  雇用保険・厚生年金に加入し働き、厚生年金からは在職老齢年金を貰いながら、雇用保険からは高年齢雇用継続給付金を貰い給 料とあわせ合計収入を得る方法です。

  在職老齢年金制度についてはこのシリーズの第5回目をご覧ください。


Q-2 私は60歳以降上記Cタイプ(フルタイムで会社に勤務する)で勤務しょうと思います。 収入について高年齢雇用継続基本給付金の仕組みを含めて教えてください。

A-2 現在は60歳以上を雇用する場合は高年齢雇用安定法により、65歳まで雇用が義務付けられています。60歳で一旦退職し、同一会社での再雇用制度により雇用されるのが一般的な雇用制度です。この場合、年金と給料と高年齢雇用継続基本給付金を受給した額が総収入となります。

Q-3 高年齢雇用継続基本給付金について教えてください。

A-3  高年齢雇用継続基本給付金は60歳以後65歳までの間に賃金が下がっても手取りを減らさないしくみです。 高齢者の雇用を継続してもらう目的の給付金です。

 @もらえる条件(受給要件)

 次の全ての要件を満たすとき受給できます。

 ・60歳以上の賃金が60歳到達時の賃金に比べて75%未満であること。

 ・基本手当てを受給することなく、雇用保険の被保険者として働いていること。

 ・60歳以上65歳未満であること。

 ・60歳到達時点で雇用保険の被保険者期間が5年以上あること。

 A受給額

 ・60歳〜65歳の賃金が60歳到達時点の61%未満 ⇒ 支給賃金の15%

   60歳〜65歳の賃金が60歳到達時点の61%以上75%未満 ⇒ 支給賃金の15%から一定の割合を低減する率
  
  但し賃金の額が支給限度額(22.8.1327,486)を超えるとき、あるいは給付額が1,640円に満たないときは支給され ません。

  B年金との調整
 
  高年齢雇用継続基本給付金を受給する場合、年金が一定額支給停止になります。
 
  停止額は次の通りです。
 
  60歳〜65歳の賃金が60歳到達時点の61%未満 ⇒ 標準報酬月額の6%停止

 ・60歳〜65歳の賃金が60歳到達時点の61%以上75%未満  ⇒ 標準報酬月額×6%×低減率
 
 尚、退職共済年金受給中に高年齢雇用継続給付金を受給しても、退職共済年金の減額はありません。


平成221216