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著者紹介 田尻 洋介氏
千葉県隊友会
市川支部会員
熊本県出身
1962年防衛大学校入学
1967年任官
1999年退官 空自(第3補給処)
東芝電波プロダクツ株式会社を退社した後2006年から社会保険労務士・行政書士業務に専念

千葉県市川市富浜2-15-1  A-310
田尻社会保険労務士・行政書士事務所
TEL&FAX  047-396-5048   
Mail
y-tajiri@flamenco.plala.or.jp
URL  
http://www10.plala.or.jp/ta12/
 
身近な社会保険のQ&A 第11回
自衛官定年後の会社勤めを終わり退職した後の「年金受給及び健康保険等」の生活設計の基本的な事項について、約10数回にわたり専門家から丁寧にアドバイしてもらいます。

雇用保険給付と年金との調整について

Q1 私は昭和2510月生まれです。 自衛官を定年退職後、会社勤めしていました。この度61歳になり第2の定年を迎えます。雇用保険から基本手当て(所謂、失業保険)を受給しょうと思いますが、年金との調整があると聞きました。どのような仕組みになるか教えてください。

A1-1  特別支給の老齢厚生年金(退職共済年金)を貰っている人で、雇用保険の受給資格のある人が求職の申し込みをした場合は、求職の申し込みをした月の翌月から、次のいずれかに該当するに至った月までの各月において、年金の支給が停止されます。

  @基本手当てを受ける期間が経過したとき

  A所定給付日数の受給を終了したとき

尚、待機期間(求職の申し込みを行った日から7日間)や離職理由などによる給付制限期間(1ヵ月以上3ヶ月以内の間で公共職業安定所長の定める期間)は、失業給付(基本手当)が支給されませんが、 雇用保険の目的達成を阻害しないよう、基本手当の支給をうけたとみなされる日に「準ずる日」として、年金についても支給停止となります。

A1-2  調整の基本的な仕組みは次の通りです。

Q2 事後清算制度があると聞きましたが、どのような制度でしょうか。教えてください。

A2  調整期間中において失業給付を受けた日とみなされる日やこれに準ずる日が1日でもある月については特別支給の老齢厚生年金が支給停止されることになりますが、同じ日数分の失業給付を受給した場合でも、人によって年金の支給停止月数が異なる不具合なケースが生じます。このため、失業給付の受給期間が経過した日(または所定給付日数を受け終わった日)において、一定の調整が行われます。 これを、事後清算といいます。

 (事後清算の仕組み)

  事後給付の受給期間が経過した日において次の式で計算した支給停止解除月数が1以上である場合には、その月数分の年金停止が解除され、直近の年金停止月より順次前にさかのぼって特別支給の老齢厚生年金(退職共済年金)が支払われます

*1
支給停止解除月数=年金停止月数
          失業給付の支給対象となった日 ÷ 30

 *1失業給付の支給対象となった日を30で除して得た数 1未満の端数が生じる場合は、その端数を1に切りあげます。
失業給付の支給対象となった日には、待機期間や自己都合で退職した場合の給付制限期間は含みません

(事後清算の仕組みの例)

Q3 定年や自己都合等で退職の場合の所定給付日数を教えてください。

A3 65歳未満の場合は被保険者期間が10年未満の場合は90日です。

  但し、退職するまでの間2年間以上勤務し、11日以上働いた完全な月が12ヶ月以上無いと基本手当ては受給できません。

Q4 高年齢求職者給付金とはどんな仕組みですが?

A4 次の通りです。

 1、受給要件

  高年齢求職者給付金は、65歳以後に退職し、次のすべての要件を満たした場合に受給できます。

   a 高年齢継続被保険者(65歳に達する日の前日から引き続き雇用保険に加入している人)の失業

   b 退職以前1年間に被保険者期間が通算して6ヶ月以上あること。
   

    2、受給額

 被保険者であった期間

  1年未満

   1年以上

高年齢求職者給付金

基本手当て日額の30日分 基本手当て日額の50日分

 3、年金との調整はありません。

  高年齢求職者給付金を受給しても年金の支給停止の調整はありません。併給されます。

                                     平成23125日記